サラリーマンの副業がバレてしまう仕組と回避策 -前編・原因編-



サラリーマンの副業が、本業の会社にばれてしまう主な原因とその回避策を紹介します。

思いのほか長くなってしまいましたので、全体を「原因編」と「対策編」の2つに分けています。

こちらの記事では、サラリーマンの副業が、本業の会社にばれてしまう「原因」について解説をしています。

いきなり後編の「副業バレ対策」部分だけを読んでも、ピンとこない方が多いと思いますので、まずは副業バレしてしまう仕組についてしっかり理解しておきましょう。

副業がバレてしまう3大原因

副業がばれてしまう原因は大きく以下の3つに分けられます。

  1. 偶然 本業の同僚や仕事先の人に見つかり発覚
  2. 自分から副業していることを漏らしてしまい発覚
  3. 納税のための申告手続き不備から発覚

また 特に「(3)納税のための申告手続きの不備」に関しては、さらに細かく5つの発覚パターンが考えられます。

  • a. そもそも申告手続きをしていない
  • b. 所得20万円未満なので申告手続きをしなかった
  • c. 住民税の納付方法を”特別徴収”にしてしまった
  • d. 副業が”給与所得”だった
  • e. 扶養から外れてしまい家族・身内に発覚

以下で、それぞれを詳しくみていきましょう。

(1) 偶然 本業の同僚などに見つかり発覚

副業バレ・・・といって真っ先に思い浮かぶのがこのパターンですね。

例えば、副業でホステスをしていたら「お客さんの中に会社の同僚が・・・」というような場合です。

回避するためには 職種の選択と徹底した管理が必要です。

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(2) 自分で副業していることを漏らし発覚

“まさか”というような話ですが、実は意外にも多いのがこのパターン。

本業の同僚などに話してしまうのは論外として、例えば「友人」や「恋人」といった本業とは直接関係のない人たちが相手だと、ついうっかり、自分が副業していることをベラベラと話してしまいがちです。

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「え?お小遣いが足りない?じゃあ私みたいに副業したらいいのに・・・」なんて感じですね。

しかし、この世の中、どこの誰から どういう形でなにが漏れるか、分かったものではありません。

「友人の友人が会社の取引先の人だった」「恋人と別れた途端に嫌がらせとして・・・」

情報が漏れてしまう可能性なんていくらでもあります。

“つい うっかり”が無いように 普段から心がけが大事です。

(3) 納税のための申告手続き不備から発覚

上記2つと違って こちらは税金の仕組についての知識がある程度必要になりますので、なかなか理解しづらい方も多いと思います。

すこし長くなりますが「申告ってなに?」というレベルの方にも理解していただけるように、基本的な部分から説明していきましょう。

そもそも”納税のための申告手続き”とは?

私達が暮らすこの社会では 年に1度、一年間に自分が稼いだお金の合計金額(総所得)などのデータを、税務署や自治体の税務課に”自己申告”することが義務付けられています。

申告したデータは、所得税や住民税などの税額を算出するために利用されます。

申告手続きで主要なものは「確定申告」と「住民税の申告」の2つ。

確定申告」は所得税&復興特別所得税のため、「住民税の申告」は その名のとおり住民税の算出のために用いられる手続きです(※以下の記事では 所得税復興特別所得税をまとめて「所得税」と呼称します)。

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ただし、多くのサラリーマンにとって「確定申告」も「住民税の申告」も、あまり馴染みがありませんよね?

なぜなら勤め人の場合、そのような申告手続きも、納税作業も、会社が代行してくれているからです。

ところが実は、サラリーマンであっても、申告&納税 手続きの必要(義務)が生じる場合というのがあります。

どういう場合か?

「本業とは別に 副業で"所得"が発生した場合」です(※参考:国税庁"申告書の提出が必要な方")

「所得」というのは、報酬やバイト代などの収入から 交通費などの必要経費を差し引いた額のことで、要するに 副業をして1円でも利益が出たら税金を払う必要があり、そのためにはなんらかの申告手続きをしなきゃダメだよ・・・ということになるわけです

収入と所得は何が違うの?

収入と所得は同じ意味のように思えますが、税法上ではまったく別ものです。サラリーマン(会社員)、自営業者、年金生活者を例にとり、収入、必要経費、所得の計算方法を整理しました。

では、この「納税のための申告」手続きと、副業バレがどのように繋がってくるのでしょうか?

「納税のための申告」手続き不備から「副業バレ」に繋がる4つのケースを確認していきましょう。

a.そもそも申告手続きをしていないため発覚

先にも書いたように、副業で得た所得にも税金が課せられます。

そして「確定申告」や「住民税の申告」で提出する資料は、それぞれ所得税や住民税などの額を決めるための大事なデータです。

ですから”申告をしない(未申告)”ということは、副業バレがどうこう以前に、税務当局から税金逃れを疑われる重大な違法行為なのです。

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未申告であることがばれてしまうと、後で紹介するような厳しい罰則が課せられると同時に、税務当局による調査(捜査)が入る確率が高まります。

その際、本業の会社や家庭にもなんらかの連絡が入る可能性は否定できません。

つまり「申告手続きを行わないこと」とは、間接的に 副業バレにも繋がりうる非常にリスクの高い危険な行為というわけです。

申告していない場合の罰則

未申告であることが発覚するとどのような罰則があるのでしょうか?

会計どっとCOMさんには、「確定申告」を行わなかった場合に課せられる罰則が紹介されています。

確定申告をしなかったらどうなりますか?|会計.com

確定申告をしないことは法律違反となります。本来支払うべき税金より多くの税金を納めるだけでなく、刑事罰に問われる可能性もあります。このページでは確定申告をしなかったらどうなるかをわかりやすくご説明しております。

マイナンバー導入で未申告者の摘発が厳格化?

「え? でも、わたし これまで一度も申告手続きなんてしたことないけど、大丈夫だったよ!?」

そんな風に思っている人、いませんか?

実はこれまで長い間 未申告者の多くが「ほぼ放置」の状態にありました。

なぜなら税務当局にとって、1件あたりの調査コストが割高で 個々の案件になかなか着手できなかったからです。

そのため、結果的に「どうせバレないから大丈夫」がまかり通ってしまっていたのです。

ただし、その状況が2016年から一変するのではないかと言われています。

「マイナンバー制度」の運用がスタートするからです。

この記事を書いているのは2015年ですので、以下はあくまで「推測」に過ぎませんが、マイナンバーの導入によって、各人の所得情報のすり合わせが簡便化し、税務当局が「未申告者」を把握するためのコストが大幅に下がるのでは・・・と言われています。

簡単にいうと“確定申告していない人は これまでよりも簡単に税務署にばれやすくなったよ”ということです。

以下はまさに、これまで「バレないから大丈夫」で過ごしてきた人たちが、マイナンバー導入で立ちゆかなくなりつつあることを伝えた記事です。

夜の街で働く「副業キャバ嬢」がいなくなる日 | 最新の週刊東洋経済

10月中旬から、いよいよ各家庭にマイナンバー(個人番号)の通知カードが送られてくる。個人は紛失しないように気をつけなければいけないし、会社の担当者は従業員や取引先から必要なマイナンバーを集めるのに苦労…

実際には マイナンバー導入の有無と副業バレに直接的な関係はありません(詳細は「マイナンバー制度と”副業バレ”の関係について電話で問い合わせてみた」の記事を参照)。

ただし、これまで「確定申告? なにそれ?」という態度でいた人たちが副業バレする可能性が高まったことは事実です。

いずれにしても「納税のための申告手続き」を行うことは 大事な副業バレ対策のひとつですので、必ず行うようにしましょう。

b.所得20万円未満なので申告手続きをせずに放置し発覚

※以下の記事では副業の所得で確定申告する際の条件などについて触れていますが、これはあくまで「副業」をしている人向けの情報になります。学生さんや専業主婦(主夫)の方のように本業を持たない方については条件が異なりますのでご注意ください(参考:国税庁「パート収入はいくらまで所得税がかからないか 」)。

これは、ある程度「申告手続き」についての知識がある方が陥りがちなミスです。

ネットなどの情報を誤って解釈した結果、”副業の年間所得が20万円未満だった場合 一切の申告手続きと納税は免除される”と勘違いしてしまい、特になにもせずそのまま放置~副業バレに繋がるケースです。

所得税と住民税の申告&納税ルールは別モノ

たしかに、国の定めたルールとして”年間所得が20万円未満だった場合は「確定申告」を行わなくてよい”ということになっており、またその場合は、所得税の納税も行う必要がありません(参考:国税庁"給与所得者で確定申告が必要な人")。

そのため「俺、今年の年間所得は10万円だったから申告しなくていいんだ・・・」と、一切の納税作業を放棄してしまう人が出てくるわけです。

ところが、コレはあくまで「確定申告(所得税)」に関する話であって、住民税には何にも関係がありません。

住民税の場合は、1円でも所得が発生した場合には 申告&納税の必要があります。

住民税の申告&納税を行わないことは、先述の「a.そもそも申告手続きしていない」のと同様の行為になるわけですから、結果的に 副業バレの可能性が高まります。

申告手続きと納税の関係を整理する

上記のような誤解は「申告手続き」とそれが対象としている「税の中身」を混同していること、また「確定申告」が中途半端に「住民税の申告」の代行も兼ねている点にあります。

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所得税というのは国が徴収している税金で 「確定申告」という手続きによって算出されます。

一方、住民税は地方自治体が徴収している税金で、基本は「住民税の申告」手続きで算出されますが、20万円以上の所得がある場合には「確定申告」がその役割を兼ねます。

つまり本来は、「確定申告」と「住民税の申告」と2つ手続きをする必要があるんだけど、20万円以上所得がある場合は 面倒だから「確定申告」だけでOKですよ・・・ということになっているわけですね。

それぞれの手続きと納税に関して整理すると以下のようになります。

副業の年間所得が20万円以上の場合

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年間所得が20万円以上の場合は「確定申告」が 同時に「住民税の申告」の手続きも兼ねます。

税務署に提出された「確定申告書」は、後日、地方自治体にまわされて住民税の算出に利用されます。そのため「住民税の申告」の手続きは必要ありません。

副業の年間所得が20万円未満の場合

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年間所得が20万円未満の場合は、所得税を収める必要がなく、また「確定申告」の手続きも行う必要がありません。ただし 住民税は支払う必要があるので、自分で自治体の税務課などに出向き「住民税の申告」手続きを行い、納税を行う必要があります。

住民税に関しては、1円でも副業から所得が発生した場合、申告&納税が必要になります。

c.住民税の納付方法を「特別徴収」にしてしまい発覚

副業の年間所得が20万円以上あったので ちゃんと確定申告を行った・・・ところが なぜか副業がバレてしまった、というケースがあります。

これは 確定申告の際、申告書に記載する住民税の納付方法を「給料から差引き(=特別徴収)」にしてしまったためです。

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これは、ネットで「副業 ばれる 原因」などで検索すると、必ず出てくる有名な話なのですが、ご存知無い方のために 詳しく説明していきましょう。

住民税から副業がばれてしまう仕組み

住民税は、その人の”前年の所得”を元に各自治体の税務課が税額を算出し、各人に請求(税額決定通知)が行われます。

この時、その通知された住民税の支払い(納税)方法として以下の2通りがあります。

  • 特別徴収=給料から天引き
  • 普通徴収=自分で支払う

特別徴収の場合、税額通知書は自分が勤めている会社に郵送されます。

会社は、通知書に記載された税額を私達の毎月の給料から差引き、自治体に納付します。つまり、会社が納税の手続きを代行してくれるわけです。

一方、普通徴収を選んでいる場合は、税額通知書は自分の住所に郵送され 自分で住民税の納付を行います。

さてこのうち、問題になるのは 本業分の住民税を特別徴収・・・つまり給料から天引きにしている場合です。

本業分を普通徴収にしている方であれば特に問題は発生しないのですが、国の方針もあって 現在は「特別徴収」が一般的です。おそらくサラリーマンのほとんどは特別徴収になっているはずです。

では、特別徴収の何が問題なのでしょうか?

特別徴収のちょっと変わったルール

今、あなたの本業の会社をA社とし、副業の会社をB社と仮定します。

ここで、A社・B社に対してそれぞれ個別に”税額決定通知書”が届き、それぞれ個別に給料から住民税が「特別徴収(天引き)」されるのであれば、なにも問題は発生しません。

ところが、実際にはそのような仕組になっていません。

なんと 住民税を徴収する自治体の税務課は「一番収入の多い会社」に一括で税額通知書を発送してしまうのです。

多くの場合、一番収入の多い会社というのは本業の会社ということになるでしょうから、この場合の例で言えば、A社(本業)に対して B社(副業)で稼いだ分も含めた税額の決定通知書が郵送されてしまいます。

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つまり 副業で稼いだ分の住民税の額も 本業の会社に通知されてしまう・・・ということですね。

するとどういうことが起きるか?

毎年、5月ぐらいに各自治体から本業の会社に向けて「税額決定通知書」が送付されますが(上図の2)、これにB社(副業)で稼いだ分の所得も合計した金額が掲載されてしまうわけです。

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「A社からいくら、B社からいくら」といった所得の細かい内訳が記載されるわけではありませんし、また担当者がいちいち社員の細かい所得欄まで目を通すかどうかはわかりません。

しかし所得が変われば、当然、支払う税金の額も異なります。

横並びの給料の社員の中で、一人だけ税額が多かったら「なにかあるな?」と疑われてしまうわけです。これが「住民税」から副業がばれてしまう仕組です。

※ちなみに「所得税からはばれたりはしないの?」と心配な方は以下の記事も一緒にお読みください(所得税は仕組みが異なるため副業バレにはつながりません)。

副業バレを防ぐ基礎知識 所得税と住民税はベツモノ!?

以前「 サラリーマンの副業がバレてしまう仕組と4つの回避策 」という記事を投稿し、その中で「住民税の通知から副業しているコトがバレてしまう可能性があるよ」ということ、そして、それへの対策を紹介しました。 さて「”税額が会社に通知されるシステムで副業がばれる”というのであれば、住民税だけでなく所得税からもバレてしまいそうだけど?」とお思いの方はいませんか? photo credit: …

ですから、副業バレしないためには、確定申告時の住民税の納付方法欄で「普通徴収(=自分で支払う) 」を選ぶべきなのですが、それを知らずに「特別徴収」を選んでしまうと、上記のような悲劇に見舞われてしまうわけです。

d.副業が「給与所得」だったため住民税を普通徴収にできず発覚

上述のように、確定申告時に住民税の納付方法を「普通徴収」にすれば、住民税が原因の副業バレは回避することができます。

ただし、中にはこの手法が使えない人たちが存在します。

それは、副業収入の税務上の種類が「給与所得」である場合です。

なぜなら、住民税の納付方法を選択できるのは「給与所得以外の所得」に関するものだけとされているからなのです。

収入が「給与所得」になるのかそうでないのかは、雇用側との契約形態によるため、一概に「この仕事は給与所得になるよ」ということができません。

ただ、例えば「本業の会社を退社後、深夜はファミレスでバイト」といった場合は、ほぼ「給与所得」になっているはずです。

副業を行う前に、その仕事から得られる報酬がどの所得区分になるのか、確認しておく必要があります。

(おまけ) 稼ぎすぎて扶養から外れてしまい家族・身内に発覚

こちらは、本業の会社にバレるのではなく"家族(身内)にバレてしまう"ケースの代表例です。

当ブログの趣旨とはやや異なるのですが「家族にもバレたくない」という方も多いと思いますので、一応、オマケとして触れておきます。

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学生さんや専業主婦(主夫)などの場合、親や夫(妻)の「扶養家族」になっている方も多いと思います。いわゆる"扶養に入っている"という状態ですね。

この扶養に入っている人が、アルバイトやパート、あるいはアフィリエイトやせどり、FXなどで"年間所得で38万円以上"を稼いでしまうと 税務署から親や夫(妻)に連絡が入ります。

そのため、隠れて得ていた収入のことも家族にばれてしまうわけです。

その仕組と対応策については「アルバイト・パートが家族バレ(身内バレ)してしまう原因と回避策」の記事で詳しく書いていますので、そちらも合わせてご覧ください。

アルバイト・パートが家族バレ(身内バレ)してしまう原因と回避策

当ブログでは基本的に、サラリーマンやOLなどの副業が”本業の会社” にバレないための回避策を紹介しています。 ですが中には、 副業していることを”家族に知られたくない”といったケースもあるかと思います。 また副業でなくても、例えば専業主婦(主夫)の方で 夫に隠れてこっそりアルバイトしている という方もいるでしょう。 そこでこの記事では …

ただこのケースは、"扶養に入っている人"限定のものなので、サラリーマン・OLのように本業がある方の場合にはあまり関係のない話かと思います。

回避策は後編の記事で!

以上が、副業がバレしまう原因です。

これらの要因に対して、どのような回避策があるのかは「サラリーマンの副業がバレてしまう仕組と回避策 -後編・対策 編-」をご覧ください。

サラリーマンの副業がバレてしまう仕組と回避策 -後編・対策 編-

2015.02.03



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