副業バレを防ぐ確定申告(2) 実践編-データ収集から納税までの流れ-

      2017/02/25

当ブログでは、確定申告の不備こそが副業バレに繋がる大きな原因のひとつと考えています。

ただ、基本的には年末調整という形で会社が納税作業を代行してくれるサラリーマンの場合「申告作業の知識はゼロ!」という方がほとんどでしょう。

実際、私も40歳近くになって生まれて初めて確定申告を行いましたが、その際、右も左も分からずに色々と苦労をしました。

そこで、同じような境遇の方を対象にして、毎年わたしが行っている確定申告の一連の流れを簡単に紹介してみようと思います。

※記事における諸々の項目の税務上の解釈に関して、一応、税務署に出向き相談した内容を記載していますが、私は税務の専門家なのではありませんので、その点はご留意ください。

この記事を読む前に

以下の記事は、基本的に私の確定申告作業の備忘録(メモ)として作成したものです。 私の環境(以下を参照)と異なる方にはあまり参考にならないかもしれませんのであしからず。

  • 本業はサラリーマン(給与所得)で 会社で年末調整を行っている
  • 副業の年間所得は20万円以上で、副業収入は全てアフィリエイト報酬によるもの(株式、不動産収入などはなし)
  • 副業は事業として届けていないため「白色申告(発生主義、簡易簿記)」で申告を行う

また、当記事は確定申告の具体的な流れを紹介するものですので、そもそも「確定申告ってなに?」という方は、以下の記事をご覧ください。

確定申告に用意するもの

確定申告では、いくつかの書類が必要になりますが、大きくは「(1)税務署に提出するもの、(2)提出はしないが作成と保管が義務付けられているもの」の2つに分かれます。

税務署に提出するもの

申告書B(第1表、第2表)

専用書式です。税務署で入手できますが、当ブログではネット経由で取得&記入する方法をおすすめしています。

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所得の内訳書

用紙は税務署で入手できますが、当ブログではネット経由で取得&記入する方法をおすすめしています。

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本業の源泉徴収表

本業の会社からもらいます。渡される時期は会社によって異なるようですが、毎年1月終わりくらいまでに受け取るのが一般的なようです。

提出にあたっては 源泉徴収表の原本を専用の台紙に貼り付ける必要があります。台紙は税務署で入手できますが 当ブログではネット経由で取得する方法をおすすめしています。

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以上の書類はいずれも提出に当って専用書式の用紙が必要になるのですが、後述するように 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、ネット経由で書類の作成から入手まで出来てしまうので大変便利です。無料ですし、特別なネットスキルも必要ありませんから是非活用しましょう。

提出はしないが作成&保管が必要なもの

入金(収入)を示す資料

例えば、副業でアフィリエイトをしている方であればASPの報酬確定画面のプリントなど、自分が得た収入の額が確認できるような資料を収集し保管しておきます。

出金(経費)を示す資料

領収書、レシート、など

帳簿

収入と経費の流れを記した帳簿の作成が必要です。私のように白色申告であれば、家計簿などと同様の簡易簿記で構いません。

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決まった書式はなく、エクセルやWEBサービスなどを用いて作成します。
私は「やよいの白色申告オンライン」を利用しています(後述)。

後述するように、所得が「事業所得・不動産所得・山林所得 以外の場合」は、上記の資料や帳簿の作成&保管は義務ではありません。ただし後でなんらかの税務調査が入った際に、自分を守ってくれる大事な資料となりうる・・・という観点から、当ブログでは作成&保管をおすすめしています。

(1)データ・資料を収集する

申告書の作成に決まった手順はありませんが、初めての方だとそもそも、どこから手をつけていいか迷ってしまうと思うので、私流の流れを説明しておきます。

まずは、前年1年間(1月1日~12月31日)の収入と経費(支出)に関する情報・データをそれぞれかき集めます。

具体的には、収入であれば「ASPの報酬確定の画面キャプチャ」など、経費であれば「領収書」などということになります。これらは、この後帳簿を作成する際の大事な資料となります。

本業分の収入や控除に関しては、源泉徴収表をもとに後で一括して加算しますので、この段階ではまだ考える必要はありません。
この段階では副業分で稼いだお金や、副業のためにかかった経費をまとめていきます。

データの対象期間は?

日本の官公庁などでは毎年4月に更新される「年度」単位が一般的ですが、確定申告の対象期間は上述のように「1月1日~12月31日」になりますので注意が必要です。

収集したデータはどうするの?

これらの資料は、提出する必要はないものの「5年間の保管義務」があります(参考:白色申告の方の記帳・帳簿等の保存制度)

・・・といっても、正確には「白色申告」で、かつ「事業所得、不動産所得、山林所得がある」場合に限り保管義務が生じるようなので、私のように 給与所得と雑所得だけの人間には当てはまらないのですが、税務調査が入った際に正当性を主張するための資料として私は保管を行っています。

領収書や請求書は、1枚ごとに大きさが異なるので、A4の紙などを台紙として貼り付けておくと、整理しやすくなります。

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(2)帳簿を作成する

続いて集めた資料をもとに、1年間の収入と経費を帳簿に記載していきましょう。

帳簿は、提出こそしないものの作成が義務付けられており7年間は保管が必要です(※2)。

後でなんらかの税務調査が入った際に、自分を守ってくれる大事な資料になりますから、しっかりと作成しておきましょう。

※2:正確には「事業所得、不動産所得、山林所得がある場合」は保管義務があり、私のように、給与所得と雑所得の人間には保管義務はないようですが、税務調査が入った際に正当性を主張するための資料として私は保管を行っています。

帳簿のフォーマットは?

白色申告の場合「簡易簿記(単式簿記)」といって簡単な家計簿のようなフォーマットの帳簿でよいとされています。

特に専用用紙があるわけでもないので、有志の方が配布してくれているテンプレートを利用してもよいですし、エクセルなどを利用して独自に作成するのもよいでしょう。

ちなみに私は「やよいの白色申告オンライン」を利用して帳簿の作成を行っています。初年度は無料なので、初めての方にもおすすめです。

「経費」について

経費の計上に関しては大きく迷うこともないと思います。

領収書などの資料をもとに「日付・金額・支払先・項目(新聞図書費、通信費など)・適用(メモ)」を、それぞれ記載していきます。

また、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)によっては、銀行振込みの際に手数料などを差し引くところもありますが これも経費として計上が可能です。

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クレジットカードで支払った場合の計上日は?

クレジットカードで買い物をした場合、帳簿への計上のタイミングとして「(1)実際に買い物をした日(発生主義)」にすべきか、「(2)お金が口座から引き落とされた日(現金主義)」にすべきかで迷う方も多いと思います。

後述するように、確定申告(白色申告)では、「発生主義」という考え方を計上日のルールとしているため、基本的には「(1)実際に買い物をした日」に計上するのが適当ということになります。

ただ クレジットカードでの支払いに関しては、例外として「(2)お金が口座から引き落とされた日」でもOKとされているため、(1)でも(2)でも問題ありません

ただし、計上のルールがコロコロ変わってしまうと、計算が狂ってしまうため、一度「オレは、発生主義で帳簿を作成する」と決めたら、発生主義を貫き通す必要があります。

ちなみに私の場合は「実際に買い物をした日(発生主義)」で計上しています。

「収入」について

経費と同様に、集めた資料をもとにして1年間の「収入」情報を帳簿に記載します。

こちらも「日付・科目(雑収入)・適用(どのような報酬か)・取引先・金額」の項目を作っておきます。

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収入を記帳する際の注意点

私のようにアフィリエイト報酬を受けている方が確定申告の際に抱くであろう疑問と対策を紹介しておきます。

帳簿に計上するのは「口座に振り込まれた日」ではない

収入の記帳において意外とややこしいのが、帳簿に計上する際の「日付」です。

白色申告においては、報酬が銀行口座に振り込まれた日ではなく「報酬を受けることが確定した日」を帳簿に記載しなければいけません(これを「発生主義」といいます※1)

その際に問題となるのが、一体どの時点を「報酬を受けることが確定した日」とするのかということです。

実際、アマゾンアソシエイトなどの一部を除き、多くのASPでは 「報酬の確定日」が明確になっていません。そこで、私は確定日(帳簿上の収入の発生日)に、以下のような独自ルールを設定し、帳簿を作成しています。

報酬の確定日がはっきりしているASPの場合はその日付を、はっきりしない場合は当該月の末日を確定日とする

正しいやり方ではないと思うのですが、ただ一度決めたこのルールを死ぬまでずっと踏襲しつづければ(年によって確定日を変えたりしなければ)、大きな問題は生じないと思います。後で調査が入った際に、キチンと説明できれば良いだけです(と思ってやってます)。

※1:ちなみに、お金が入金された日を記載する「現金主義」という方法もありますが、これは「青色申告」の人でかつ、必要書類を提出した人に認められる特権のようなものです。

最低支払額に達していない場合は?

最低支払額に達していない場合でも、「収入」としてその月に計上する必要があります。
前述のように、収入を計上するにあたって 銀行振り込みの有無は関係がないのです。

例えば、アマゾンアソシエイトでは、報酬の合計が5千円を越えるまで、報酬の振込みは行われません。仮に、4月に2千円、5月に8千円の報酬が発生(確定)した場合、5月に合計の1万円を計上するのではなく、それぞれの月で4月=2千円、5月=8千円を計上します。

ポイントで付与された場合は?

楽天アフィリエイトなどのように、報酬が現金でなく「ポイント」の形で付与される場合があります。この場合、どのように扱いべきなのでしょうか?

ポイントに関しては、ポイントとして持っているだけであれば「収入」とはならず、商品購入時に利用したり、換金したりした段階で初めて収入となり、現金と同じ扱いで処理が必要になります

ただ 私の場合、こうした処理をいちいち帳簿に記載するのが面倒なので、ポイントが確定した時点ですぐに「収入」として計上しています。

ASPごとの年間報酬・経費の確認方法

ASPによって 年間報酬額の確認方法が異なるため、毎年の帳簿作成が面倒でした。
そこで、各ASPごとの報酬額の確認方法や、自分なりの帳簿計上ルールを記事にしていますので、そちらも参考にしてみてください。

税務署の記帳相談を活用しよう!

帳簿の記帳方法や、計上の仕方などは、個別の環境で異なるため、ネットなどの情報を鵜呑みにすると痛い目にある場合もあります。

税務署では、毎年、記帳説明会を開いたり、作成支援コーナーを設けて職員が個別の相談に対応するなどしています。

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上の写真は私の地元の税務署のものですが、専用書類はもちろんのこと PCや計算機なども用意されており、また専門の職員の方が相談に乗ってくれるのでとても便利です。

無料で利用できますので、うまく活用するようにしましょう。
ただし、毎年1月半ばくらいから混雑が始まりますので、その点は注意が必要です。

(3)申告書を作成する

申告書は 専用書類を税務署からもらってきて手書きしてもよいのですが、当ブログでは 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して、ネット経由で作成する方法をおすすめしています。

面倒な計算などをせずに申告書や添付資料の作成が可能なので初心者の方にもおすすめです。
特に難しいネットスキルも必要ありません。

「確定申告書等作成コーナー」を利用した、申告書作成の手順を記事にしていますので、具体的な方法に関してはそちらをご覧ください。

事前に準備しておくもの

確定申告書等作成コーナーで、申告書を作成するにあたっては、事前に以下の情報を把握しておく必要があります。

本業分の所得や控除などの額

本業分の総所得額や、各種控除の額などを把握しておきます。それらの数値は会社からもらう源泉徴収表に記載されています。

副業分の収入額

各ASP(会社)ごとに、1年間に受け取った報酬の合計額を算出しておきます。つまり"アマゾンアソシエイトから1年間で○○円もらった。バリューコマースから1年間で○○円もらった"という具合に、会社ごとの額をそれぞれ計算します。 帳簿がしっかりできていれば、転記するだけなので簡単です。

また各社の正式名と住所も調べておきましょう。

必要経費の年間合計額

1年間の必要経費の合計額を計算しておきます。申告書に記載する額は経費全体の合計額だけで、細かい内訳などの記載は必要ありません(※帳簿には内訳も記載が必要です)。こちらも、帳簿がしっかりできていれば転記するだけなので簡単です。

(4)申告書を提出する

毎年2月15日~3月15日が確定申告の期間になります。

上記日程を過ぎて提出すると「無申告加算税」という、いわゆる延滞金が加算されてしまいますので注意が必要です。

提出する場所は?

確定申告書の提出は、基本的に各税務署で行いますが、地域によっては別途 特設会場が設けられている場合もありますので、税務署に確認してみましょう。

下は、私が確定申告を行った特設会場(新宿住友ビル)の様子です。

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ちなみに、確定申告の会場で行うのはあくまで確定申告書類の提出です。その場で、書類と一緒に税金を納めるわけではありません。

書類を提出すると、納付書(現金で納付する場合)、もしくは銀行振り替え申し込み書を渡されますので、別途、納税を行う必要があります(後述)。

提出前の最終確認!

副業バレしたくない方は提出前に以下の点を再確認しておきましょう。

控用書類も一緒に持ち込む

申告書類は、税務署への提出用と、自分のもとにおいておく控用とをそれぞれ作成しますが、申告時には両方の書類を持ち込みます。

窓口で両方の書類を提出すると、控用書類の方は受領印を押されて返却されます。

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この受領印入りの控用書類が、確定申告をした証になりますので 大事に保管しましょう。

ただし、これはあくまで"書類を受け取りましたよ"という印であって、申告書の内容を認めるものではありません。

例えば、毎日の食費を全て経費として計上するような不正をしていたとして、この受領印をもらったからといって「税務署からOKが出た」ということにはなりませんので、ご注意ください。

そもそも確定申告の会場では、いちいち書類の内容を確かめて「これは経費として計上できません」とか「収入を隠していませんか?」なんてことはやりません。

受付窓口で行われているのは、必要書類が揃っているかどうか・・・といった程度の確認で、不正の検査などは後日行われます。

住民税の納付方法を"自分で納付"にしているか?

確定申告書B第2表の下側、住民税の納付方法の項目で「自分で納付」にチェックが入っていることを確認しましょう!

住民税が本業の会社に請求されてしまい副業バレする可能性を減らせます。
念のため、提出用と控用の両方で確認しておきます。

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"翌年以降送付不要"にチェックが入っているか?

こちらは「家族バレ」したくない方のチェック項目です。

確定申告書B 第1表には「翌年以降送付不要」というチェック項目があります。

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ここにチェックを入れずに提出すると、翌年の確定申告時期に申告書などの用紙を税務署が自宅に郵送してくれるのです。

便利なサービスともいえますが 副業を「家族バレ」したくない方にとっては、余計な機能です。

「翌年以降送付不要」にしっかりと、チェックをいれておきましょう。

ただし、ネット経由で申告書を作成した場合には、上記項目に関係なく通知が届いてしまいますので注意が必要です(以下の記事を参照)。

確定申告以後の流れ

確定申告とはそもそも「所得税」と「住民税(県民税、区民税など)」の納税額を決定するための作業です。

ですから、申告作業が終わった後は、キチンと納税を行う必要があります。
ただ 前述のように、確定申告書類の提出時に一緒に税金を払うわけではなく、別途 入金作業が必要になります。

また「所得税・復興特別所得税」と「住民税(県民税、区民税など)」では納税先が異なるため、それぞれ別で納付する必要があります。

所得税と復興特別所得税

所得税と復興特別所得税に関しては、確定申告書類の提出後、納付書(現金で納付する場合)、もしくは銀行振り替え申し込み書を渡されますので、そちらを使って別途、納税を行います。

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ここでは、納付書(現金)で納付する場合の方法を紹介しておきます。

渡された納付書には納税額などは記載されていませんので、自分で書き込む必要があります。
自分が支払う所得税の額は、申告書の第1表に記載されています。

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表の右側「納める税金」の項目に記載された額が 所得税・復興特別所得税」の納付額になります。

延滞税などが特にない場合は、「本税」と「合計額」部分に、自分の納税額を記入します。
あとは自分で、納付書に住所・氏名を記載します。

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上記を持って、税務署もしくは日本銀行歳入代理店(銀行、信用金庫など)、郵便局に行き、納税を行います。

住民税(県民税・市民税など)

住民税は、提出した申告書の内容をもとにして、後日、各自治体が税額を決定します。
自治体から 税額決定通知書が届いたら、記載の住民税を支払います。

決定&通知の時期は、自治体によって異なるようですが 私の住む地域では6月の頭くらいになります。

気になる方は、自治体の税務課に問い合わせてみましょう。

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