申告手続きと所得税・住民税の関係を整理する

ヘッダ画像:確定申告

この記事では「サラリーマンの副業がバレてしまう7大原因」で取り上げた「【原因4】所得20万円未満なので申告手続きをせずに放置し発覚」について、なぜそのような誤解が生じるのか 補足情報をまとめています。

はじめに

日本では、副業分の年間所得が20万円未満だった場合は「確定申告を行わなくてよい」というルールになっています。

そのため副業の年間所得が「20万円未満」だった場合は、一切の申告手続きと納税が免除されると勘違いしてしまう方がいます。

しかし「サラリーマンの副業がバレてしまう7大原因」で取り上げたように、これは間違いです。

住民税に関しては、1円でも所得が発生した場合には 申告&納税の必要があります。

上記のような誤解は「申告手続き」とそれが対象としている「税の中身」を混同していること、また「確定申告」が中途半端なかたちで「所得税」と「住民税」の申告も兼ねてしまっている点にあります。

所得税と住民税では担当が異なる

「所得税」と「住民税」。

この2つは 税金という意味ではどちらも同じもののように思えますが、実は徴収を担当している機関が異なっているのです。

所得税というのは「国」が徴収している税金で 「確定申告」という手続きによって算出されます。

一方、住民税は「地方自治体」が徴収している税金で、本来は「住民税の申告」手続きで算出されるものなのですが 20万円以上の所得がある場合には「確定申告」がその役割を兼ねます。

つまり本来は「確定申告」と「住民税の申告」と2つ手続きをする必要があるんだけど、20万円以上所得がある場合は 面倒だから「確定申告」だけでOKですよ・・・ということになっているわけですね。

申告手続きと納税の関係を整理する

それぞれの手続きと納税に関して整理すると以下のようになります。

副業の年間所得が20万円以上の場合

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年間所得が20万円以上の場合は「確定申告」が 同時に「住民税の申告」の手続きも兼ねます。

税務署に提出された「確定申告書」は、後日、地方自治体にまわされて住民税の算出に利用されます。そのため「住民税の申告」の手続きは必要ありません。

副業の年間所得が20万円未満の場合

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年間所得が20万円未満の場合は、所得税を収める必要がなく、また「確定申告」の手続きも行う必要がありません。ただし 住民税は支払う必要があるので、自分で自治体の税務課などに出向き「住民税の申告」手続きを行い、納税を行う必要があります。

住民税に関しては、1円でも副業から所得が発生した場合、申告&納税が必要になります。